鉄杭を投げつけてくる女の子の夢

起きたら中学校に登校しなきゃいけない時間を30分もオーバーしていた。

お母さんに「親父が食パン4枚食べるからお前さんの分は無いよ」って言われた。かなしい。というかどんだけ食べるんだ。
急いで支度して親父と一緒に外に出た。朝のはずなのに夜みたいな黒雲が空を覆っていた。めっちゃ暗いです。

車で送ってもらっていると、道路が大混雑していて、同じように遅刻しそうな友達を何人も見た。もしかしたら、電波時計の電波が狂っちゃってみんな遅刻していたのかも。わからん。
学校までもうちょっとというところで超低空の雲がすごい勢いで車に突撃してきた。そのまま突っ込んだ。



場面が変わって教室の中にいた。外を見ても黒雲は無く、晴天だった。たぶんお昼だ。
休み時間らしく、みんな思い思いに話したり遊びに行ったりしていた。


突然、1人の女の子がぼくに向かって鉄杭を投げてきた。求愛行動かな。
長さ1m、太さ20cmくらいの銀色メッキの立派な凶器だ。それが女の子の周りにある傘立てみたいなものに何十本も用意されてある。正直、人生詰んだ。というかそんなものどうやって持ち込んだんだ。

ぼくは教室の中を逃げ回った。女の子は鉄杭を次々と投げつけてくる。避けた。他の人に刺さった。死んだ。まじかよ。
関係無い人が倒れていく中で、ぼくは生きる気力を失っていった。みんなが巻き込まれるくらいなら、ぼくが犠牲になった方がいい。そう思った。

右手にシャーペンを持っていた。このペンの先端には毒が塗られてある。女の子が言っていたのだ。
ぼくはそれを自分の左肩に突き立てた。鉄杭に貫かれるくらいなら自分の手で終わらせたかった。だって痛いの嫌だもん。

女の子は動きを止めた。「やっと捕まってくれたのね。」顔を近づけてきて、満面の笑みで言われた。こっちは死ぬかと思ったんだぞ。あっ死ぬのか。
でもこれで犠牲が増えることも無い。これが最善。一番いい解決方法なのだ。ぼくは静かに目を閉じ




「でも毒を塗ったなんて嘘、それはただのシャーペンなのよ」




終わり